新宿区マンション管理士会
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第4回会員コラム 耐震・制振・免震   中村 利道
地震国であるわが国にとって、建築の歴史は地震との戦いの歴史と言っても過言ではありません。通信によるインフラが急激に進歩した現代の高度情報化社会においては、地震による被害が社会に与える影響は計り知れないものがあります。又、進歩した現代の科学技術をもってしても、地震の発生を正確に予知することは出来ません。そこで地震から建物を守る方法に「耐震・制振・免震」があります。それぞれの特徴を取り上げてみました。

現在の耐震設計の地震に対する基本的な考え方は二つの地震を想定し、「耐用年限中に何回か遭遇する程度の地震(中地震)に対しては、部分的なひび割れ等が生じても主要構造体は弾性的な挙動(揺れても元に戻る)で応答し、建築物の機能を保持する事とする。また、建築物の耐用年限中に一度は遭遇するかもしれない程度の地震(大地震)に対しては建築物の架構にひび割れ破壊等の損傷が生じても最終的には崩壊から人命の保護を図る。」となっており、大地震では建物が崩壊しなければよく、建物の機能が維持されなくてもやむを得ないとなっています。それは安全面と建設コストを考えて必要最低限の安全性の確保と言うことで規定されたものであるからです。

最近マスコミに出てくる数値は後者の判定の数値で以下のようになります。

    Qu / Qun ≦ 1.0
保有水平耐力(Qu) : 建物の持っている地震に対する耐力
必要保有水平耐力(Qun) : 大地震で建物が崩壊しないために必要とする耐力


耐震構造
構造体自身の強度により、地震から建物の倒壊を防ぎます。
強度抵抗型(弾性設計法)と履歴減衰利用型(弾塑性設計法)があり、大地震時に対しては建物の損傷を許容し、後者による設計が通常行われています。
地震時の振動、衝撃は大きく、地震の規模によっては建物に被害を受け、家具の転倒、移動及び設備機器にも被害が生じ、地震直後は建物の機能を確保できない場合があり、建物の修復性は一般に困難です。
敷地条件、設備計画、構造体の維持管理に特別なことはありません。

制振構造
地震に限らず、風・交通・機械振動等の振動全般を対象とします。
建物の揺れを取り付けた装置により吸収しようとするもので、パッシブ制振とアクティブ制振があります。前者は動力の供給なしで制振効果を発揮するもので、鋼材や鉛等の金属材料を降伏させることにより、塑性履歴エネルギーを利用する履歴減衰機構、摩擦による力を利用してエネルギーを吸収する摩擦減衰機構、ダンパーを利用する粘性減衰機構、建物の屋上に錘(装置)を設置し錘が建物の振動を低減させる方向に動くことにより建物の振動を低減させる質量効果機構等で、後者は建物の揺れをセンサーで感知し、油圧、電気等で動力を提供し、重りを動かし、その反力で建物の揺れをおさえたり、制振部材(ダンパー)を制御して建物の揺れを低減させます。
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